滅茶苦茶大遅刻の裏話。
松季国はどちらかと言えば住みにくい国です。雨は大量に降るし、湿気は凄いし。災害級の雨も決して少なくはない。
(だからこそ、雨水を使う工夫があちこちで行われていて、水には決して困らないわけですが……)
松季国の怪奇について結構ごちゃごちゃしてしまったので、簡単にまとめてみました。
燈村(ていそん)
→怪奇に飲み込まれて座標を領域に移した。村自体が領域の影響を受け、惨劇が時を巻き戻しては繰り返される。
林琳と仁が御者に連れてこられた村です。二人は気が付かずにこの村で数日滞在することになります。
山神を祀り古くから伝わる言い伝えで、太陽を齎す来訪者をお天道様と呼び、暖かく歓迎する幸せな村。
村で一休みした林琳は己が五年間、現世を留守にしていたことを知ります。仁は簡単に片燕に戻ればいいと言いますが、そうはいきません。なんたって破門された身。それに林琳は宗主と誓いを交わしていますし、二度と竹林の領域へ足を踏み入れるなと言い聞かせます。(あんまり効果なし)
差出人不明の文を預けられ、ようやく松季国に辿り着くと、松季国の宗派:蒼羽と遭遇。やたらと騒がしい仕人がいるもんだと距離を置きます。
宿に戻り文を開けば、仕人が厄介な跳ね返りをつけてある。ゾッとしますね。若造だったら死んでたと思います。
文の内容は、さらにお使いをさせる、面倒なもの。文の差出人は燈村が飲み込まれると気がついていて、誰が外から訪れる日——林琳たちが訪れる日を待ち望んでいました。己の死を覚悟し、村が飲み込まれる寸前、すなわち、リセットされる前に文が渡るように仕向けたと言うわけです。
命を落としても次に繋がるように、密かに待っていた優秀な仕人でした。
無事に珊來に文が渡ると、林琳達は(不本意ながら)協力関係を結びます(等価交換)
まぁ、林琳からしてみれば、燭村で打ち上がった変死体について調査をしたいし、珍しく前向きに、まぁ、いいかって感じでした。(珊來の口調が某昔馴染みの男に似ていて苦手意識は少々ありますが)
色々と調査を進めていくと、燈村は四年前に滅びており、林琳達が見た光景が歪なものだと理解します。そして道中現れる怪奇の領域に共通してあったもの——社。
怪奇の領域と現世は決して交わらない。
常識は怪奇の前では何の力にもなりません。怪奇は未だ謎の多い存在で、誰にも解き明かせない存在なのですから。
怪奇は燈村にある社を扉にして、現世にも手を出そうとしている。干渉してくることは簡単です。怪奇は心の弱い人間に付け入る。だから園泉は不気味な声を聞いたのです。あの時点ですでに怪奇は手を出そうとしていました。
ではなぜ林琳と仁は燈村に踏み入ることができたのか。
同行者は一人、幸楽美国から旅を共にした御者のみ。鍵を握るのは御者。
しかし呑気にあぐらをかく御者を問い詰めても、意味のわからない言葉を紡ぐだけ。林琳ブチギレ。
その一方で蒼羽にも異常が発生。死亡した伝書鳩が飛び込む。明らかに蒼羽に手を出そうとしている鼠がいることを知った宗主は怒り心頭。
どうにかこうにか燈村に入り込んだ林琳、仁、珊來。
林琳と仁は再び同じ時を過ごします。すでに死んでいるとは思えないほど鮮明な光景。燈村は破壊と再生を何度も何度も繰り返しているのです。しんで、しんで、しんで。しにきれない。そしてまた時間は戻る。彼らはの魂はもう救われないまでに弄ばれてしまった。
林琳は山神の御神木が祀られていることを珊來に伝えます。
珊來が目にするのは祈りを捧げる少女の姿。林琳は見覚えのある少女です。
しかし少女は珊來の姿が見えない。
彼女は燈村の生まれではない。とうの昔に水龍に対する信仰心を失った。蒼羽は水龍を祀り、信仰している。信仰心を失った少女にとって珊來の存在は無に等しい。そのため珊來の存在を認知できなかったのです。
神なんていない。そうやって諦めたのに、燈村のぬくもりに触れて少しずつ、山神へと祈りを捧げるようになった。みんなが幸せでありますように。
それでも手を差し伸べたのは神ではなく怪奇の方だった。
少女は気がついていました。同じ時を繰り返していることを。救われることのない場所にいることさえ知っていて、祈り続けて——ひたすらに待っていた。
やっと、祈りは通じて。
林琳と仁が現れる。
どれだけ待ち望んだことか。
繰り返される悲劇は終わり、燈村はようやく解放されます。
怪奇ごと葬り去られるはずだった村人の魂は、珊來の清く澄んだ心力を纏い、御神木を通じて現世へと導かれる。4年間閉じ込められていた魂が空へと昇る。小さな少女の祈りは届いたのでした。
が、結局変死体の手がかりは掴めないまま。
片を付けた二人は御者から不気味な書を押し付けられる。林琳ブチギレPart 2。
焼いても叩きつけても、切り裂こうとしても傷一つつかない古びた書。刻まれた文字は塔に遺されたものと同じで、林琳は唯一解読できる男を思い付きます。(毛嫌いしてますけど)
その男が今どこにいるのか検討もつかない二人は、珊來から嵐海宋に行けば手がかりがあるかもしれないと教えられ、蒼羽から贈られた馬を連れて向かうこととなり、松季国から旅立ちました。
⭐︎
ざーっと書き出してみましたが、これは……松季国編を一から書き直した方がいいのでは……中々……情報量が……。
林琳は神を信じていないし、信仰そのものが無駄だと思っています。祈った所で何も変わらない。数多の選択肢の中から未来を選ぶのは自分自身であり、進むのは己の足だけ。運なんて馬鹿馬鹿しい。(宗主の教えが強く出ている部分)
それでも人が神に縋るのを"間違いではない"と認識しています。——理解はできないけど。
この世で最も難しいことは正しさを探すこと。間違い探しは簡単。比較すればいいだけだから。でも、正しさは人によって違う。正義と正義がぶつかれば戦に変わることを林琳はよく知っています。
だから少女が祈りを捧げていることを決して笑いませんでした。
林琳と仁の関係で明らかになったのが
:破門されてから五年が経過。
:記憶をなくした仁は林琳と宗主に拾われた。
:仁の魂には損傷がある。
:宗主と林琳はお互いに誓いを交わしている。
:林琳には背負わなければならない罪がある。
です。やっと過去の出来事を小出しにできたので、劉鳴国編以降で徐々に仁は林琳に近付くことができます。二人はお互いを知らなければならないのです。その先が地獄だとしても、進むためには……。
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