花は風に

中華風ファンタジー×BL
特殊設定あり、世界観たっぷりの長編物語。
漫画&小説で綴る、ちょっぴり“なんちゃって”だけど本気の中華ブロマンス。

 人の世は平等ではない――遥か昔、この世界を創り上げた唯一の神がそう告げた。 その神、すなわち「主」と呼ばれる存在は、四季を巡らせるだけで人の営みに干渉することはなかった。彼はただ世界を創造し、そして遠くから静観する。国が滅び、作物が枯れ果てても、どこ吹く風のように無関心であり続けた。 そんな中、人々は一つの問いを抱いた。「善とは何か、悪とは何か」と。 この問いを神にぶつけるため、天を貫く巨大な塔が建てられた。塔の頂上には法廷があるという。だが、法廷に届いた神の答えは、どこか虚ろだった。 「等しいのは、善と悪だけだ」 そしてある日、主は姿を消した。何の前触れもなく、まるで飽きた玩具を手放すように。それから世界は変わり果てた。残されたのは、人を襲う怪奇と呼ばれる存在だけ。 それから幾年もの時が流れた。 怪奇を祓う術を持つ者たち――仕人が現れ、彼らは新たな秩序を築いた。無数の宗派が生まれる中、異端の名を持つ一派が存在した。その名を《片燕》という。 彼らは問題児たちの集まりと噂された宗派だった。特に目立ったのは、怪奇に魅入られた師兄・林琳と、幼い頃に記憶を失い拾われた師弟・仁。しかし、五年前、林琳はある罪を犯し、宗派を追われた。それ以来、彼は人の寄り付かない領域で、孤独にその罪を背負い続けていた。宗派の中核を担った師兄・林琳は五年前、罪を犯して破門された。彼は今、人が寄り付かぬ領域で孤独に生きる。彼が犯した罪とは何だったのか。それを知る者は、宗主ただ一人だった。 そんな彼の元に、かつての弟弟子――仁が現れる。彼は破門された兄弟子を今なお慕い続けていたのだ。林琳は追い返そうとするが、仁はどこまでも愚直だった。 「山雫国で変死事件が起きた。疑いは《片燕》に向けられている」 仁はそう告げ、林琳の静寂を破る。二人は再び手を取り合い、事件の謎を追い始める。だが、それはさらなる陰謀の入り口に過ぎなかった。 松季国で突如押し付けられた主の所有物を巡って巻き起こる事件。二人は隠された陰謀に飲み込まれていく。 出会い、別れ、裏切りを乗り越えた先にある真実。全ての陰謀を解き明かした時、仁は林琳の犯した罪を知る。 ――赦される覚悟と赦す覚悟を探しに行こう。 
本編小説

裏話

 

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